
「『論理エンジン』による智力開発の実践」8
学力差は入学時からすでに存在する
実は定期考査の問題は、機会を見つけて保護者にもやっていただいています。本校では「保護者講座」を開いており、私が担当する際は『論理エンジン』の講座を設け、保護者の方にいろいろなお話をしています。その中で、実際に問題を解いていただくようにしているのです。例えば、「文と文との関わり」についての考査に取り組んでいただいた時などは、その時に、「お父さん、どういう風にお考えになりましたか?」と伺ってみます。すると、いわゆる「接続」の問題ですから、大半の方は接続語を入れて読んでみて、「どっちがしっくりくるかな」という風に解くわけです。これがいわゆる感覚的に読むということです。
開智高校S類に入ってくる生徒も入学時には大体そのレベルです。でも、例えば感覚的にいうと区別がつかない「しかし」と「ただし」も、論理構造が使えると明らかに「ただし」しか入らない、ということが分かる。そんなことも保護者の方々にも体験してもらっています。
さて、子どもの学力に話を戻します。一般的に高校では入試で選抜している以上、学力面ではある一定層しか入ってきていないはずです。さらに高1ですから、高校での学習が左右していない段階です。にもかかわらず、現代文についてはかなりの幅を子どもたちは持っています。その子どもたちに、我々は一斉指導をしていくのです。
全然出来ていない子と、うんと出来る子との間を埋めつつ、全体の底上げをしていく、つまり、OS力をアップしていくためには、既存のやり方を一度壊して、「論理とはどういうものか」ということから積み上げていく必要があります。その方が最終的にほとんどの子を「ゴールイメージ」に見合ったレベルに持って行くことが出来ると考えています。そのための教材として、この『論理エンジン』はすごく良いと思うのです。
現代文の教科書を使って、「広告の形而上学」で説明文の読み方、「山月記」で小説の読み方、谷川俊太郎で詩の読み方、といろいろ教えても、見てきたように子どもたちの学力に幅がある、すなわちベースとなるOSが異なってしまっているので、どうしても理解に差が出てしまいます。そういう意味では一回ベースに戻しても決して遠回りではない、という実感を持っています。


