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開智高等学校 加藤克巳先生 特別講演リアルレポート
「『論理エンジン』による智力開発の実践」2

実践の具体的プロセス

(2)実践―1(pDca)

○計画に従って指導する。
→とはいっても当面は「手探り」状態。さまざまな指導法を試してみる。

(3)実践―2/検証(pDca)

  • ①考査や学期といった区切りに、指導効果の検証を行う。
    →必要があれば、大胆な計画の変更も辞さない。
  • ②3学期(2月)には、年間の指導の総括を行う。
    →主に(1)―③に照らして検証することになるが、
       目先の「効果実感」だけを追い求め過ぎないことが肝要。
    →(7)―②の「導入動機と目的」を見失わないようにしたい。
  • ③検証に基づく「改善計画」を策定し、指導者間で共有する。

今お話ししたように、初年度は本校でも手探り状態でした。当然、(3)―①考査や学期のところで、指導効果の検証が行われます。おそらく②番に挙げた「3学期(2月)には、年間の指導の総括を行う」という形で、見直しする最大のポイントが来るでしょう。そして③「改善計画」への流れとなるかと思います。

『論理エンジン』導入の目的

われわれ開智学園は、先ほどご紹介した「総合部」・「中高一貫部」・「高等部」の3つの部を持ち、さらに高等部は3つの「類型」を持っています。『論理エンジン』を導入しているのは、その中のもっともハイレベルな類型である「S類」という類型です。

S類は各学年100名程度の生徒が在籍しており、他の類型と生徒の入れ替えをせず、3年間丸抱えで指導しているのが大きな特徴になっています。この3年間をトータルにコーディネートするシステムは、3年間という限られた時間の中でより大きな教育効果をあげるために私が創ったシステムなのですが、そのシステムの中心となる柱が、実は『論理エンジン』なのです。その点で、『論理エンジン』を導入していない他類型とは、類型のコンセプト自体が異なるため、一線を画した指導を実践しています。

S類では3年間を次の3つのステップに分けて指導しています。

  • Elementary Step ・基礎学力の習得 ・論理力の養成 ・表現力の向上
  • Progressive Step ・ツールの獲得  ・論理力の深化 ・判断力の育成
  • Aggressive Step  ・論理的思考力  ・判断力    ・表現力

S類は3年間生徒を丸抱えしますので、特に学習指導においては指導学年にこだわりません。1年生だからこれをやる、2年生だからこれをおしえる、といった発想自体がないのです。一応3つのステップに分けてはいますが、これは指導するわれわれ側の指導計画上のマイルストーンのようなものであって、生徒がこれを意識することはありません。もちろんこの3つが学年に対応しているというわけでもありません。

例えば私が指導している現代文科で言えば、ゴールイメージはまさに「論理的な思考と、それに基づく的確な判断、およびそれを適切に表現していく力が身についている状態」であるわけです。その観点でまずは入学してきた生徒たちの学力状況を確認します。これが指導の「スタートポイント」になります。

また現代文の例で恐縮ですが、われわれがお預かりする生徒たちは、国語総合の1年生の目標に掲げられているような「小説教材を読んで登場人物の心情をまとめる力を養いなさい」であるとか、「説明的な文章を読んで段落ごとの要点をおさえ、全体の要旨をまとめる力を養いなさい」というようなことは中3の段階でできるようになって入ってきます。ですからここをスタートポイントにするわけです。話がそれますが、先ほどのようなことを「高1の国語総合でやれ」と言われたからやるのは、高校の3年間、およそ33か月の間に子どもたちを仕上げていくことを考えていくと、ナンセンス、時間のロスだと考えています。

一方で卒業時に子どもたちに身につけさせたい、「論理的思考力・判断力・表現力」については、入学時点では驚くほど身についていません。

ところが、例えば国立前期や慶応義塾の入試問題等では、「論理的思考力・判断力・表現力」が求められています。求められる以上、我々はそれを身につけさせるような授業を提供する必要があります。

そのため、「いつからこの指導(論理的思考力・判断力・表現力)をはじめたら良いのか」と考えますと、やはり入学時点からはじめないと間に合いません。なおかつ、学習の効果を高めなくてはならない。これらのことをどのようにすれば解決できるだろうか、と考えていた時に出会ったのが、この『論理エンジン』だったのです。すなわち、我々が『論理エンジン』を導入する目的はそこにあり、その目的を具体化していくという形で、現在導入5年目を迎えています。

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