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探訪・論理の匠

論理の匠 vol.7

~如水館中学・高等学校 森靜先生~

生徒を夢中にさせる"論理の白熱教室"(5)

"論理"との出会い

―― 御校では中等部で『論理エンジン』を採用していただいています。現在、高等部で指導されていらっしゃる森先生も、中等部で教鞭をとられていたときに『論理エンジン』と出会ったと伺っておりますが、初めてご覧いただいた時の印象をお聞かせください。

 はい。私がこの学校に赴任した時にはすでに採用されていて、同僚の先生が「おもしろいですよ」と言って見せてくれたのですが、最初はよくあるドリル的なものに見えました。ただ、実際に解けば分かりますが、あの短いセンテンスの主語と述語を抜き出す問題でも引っかかるのです。

 

―― 結構な学力のある子でも、例えば「飛んでいるよ 大空高く ひばりが。」というような倒置法が入った一文になると、途端に引っかかってしまうことがよくあるようですね。

 そうですね。「主語はありません」「いや、あるのよ」というやりとりが、生徒との間で毎年のように交わされます。あの短いセンテンスの要点を抜き出させる問題等はとても面白いですね。あれが根幹でしょうし、そこをどう説明するかですよね。

――高校ですと「犬が猫に向かってほえる」という一文の主語と述語を抜き出させるような非常に簡単な問題をやらせることに疑問を持ってしまいがちですが、『論理エンジン』を使って成績を伸ばしている先生方の事例を見ると、はじめのOS1は決して飛ばさずに、重点的に指導されているようです。そういった先生方の言葉を借りると「高校生にある一定の長さの文章を与えると、おのおのが自然に身につけてきた日本語力でなんとなく感覚で読んでしまう。そこで『感覚的な読み方』を壊して『論理的な読み方』を構築するために、特に導入期の授業をていねいに行う必要がある」ということだそうです。

 非常に考えて作られていると思いますよ。一文の構造からスタートして最終的には長いセンテンスの読解や記述式問題に至る――文章の読み方を変えていくための道筋が体系化されているなと感じます。

――ありがとうございます。森先生ご自身でも"ドリル的な"と仰っていましたが、『論理エンジン』に対する認識が変化したのは、何かきっかけがあったのでしょうか。

 この学校で中学生を教えるようになって、これまで高校生相手に伝えられていたと思っていたことが、中2・中3生に伝わらないことに気づきがく然として。「なぜ伝わらないのか」と悩むうちに「何が伝わらないのか」を考えるようになり、そこで気づいたのです。OS1のあの短い文章の問題に取り組む意味に――日本語の"論理"構造について根本から意識させるためであることに。
 結局、以前の私は、本当に大事なことを伝えきれていなかったのだと思い知り、それからは真剣に取り組みました。一から自分で解いていくうちに、これまでの指導経験の中で蓄積してきたものが自分の中で整理された結果、生徒に対して伝えるべきポイントや、『これができるようになればこれができるようになる』ということを意識しながら明確に言えるようになったことは大きいですね。

――実は『論理エンジン』に触れることで、指導するスキルがアップしたという先生の話はよく耳にします。おそらく、もともと文章を構造で捉えるアプローチをされていた先生が『論理エンジン』をなぞることで、まさしく森先生が仰ったような、それまで培ってきた技術の体系化が起こるのではないかと想像できます。

 ただ、当たり前ですが、教える側がOS1から自分で解かないといけません。そうやって片手間ではなく真剣になって取り組めば、必ず効果は出ると思います。

――実際、今年度の御校の大学への入学実績は、昨年と比較するとずいぶん伸びているとお伺いしました。

 去年より上がっていると思います。慶應義塾に合格した内部生は『論理エンジン』を中等部でしっかりやった生徒たちですね。あと、大学合格実績とは離れますが、先日行われた模試では、当校の古典の点数が全国平均より17点上でしたので、現代文以上に古典の力が伸びているように感じます。古典って主語が省略されていることが多いですよね。隠れている主語を補い、述語を類推していくことがひじょうに大切になってきます。そういう意味では、古典は現代文以上に論理的に考えていかないと難しい面があると思います。

――本当に、古典はそれができるだけで、全然違いますね。

 そこで『論理エンジン』OS1のいちばん初めで行った、主語と述語を抜き出した経験が活きてきます。主述の関係を意識して掴むだけでかなり口語訳ができるようになりますから。

 

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