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探訪・論理の匠

論理の匠 vol.7

~如水館中学・高等学校 森靜先生~

生徒を夢中にさせる"論理の白熱教室"(4)

互いに高め合う生徒たち

―― 先ほどの授業では、まず「逆接」の一文を作って発表させていましたが、面白い取組みですね。たとえ短い一文でも生徒自身の言葉で作らせることで、自分の頭で一文の構造について考えることができます。

 如水館高校科は教科目標として、書く力・発表する力の育成に重点を置いています。それは、最終的には自分の考えていることを自分の言葉で発言できるようにするためです。

 

  きちんと自分の頭で筋道立てて思考していない事柄については、決して発言できませんよね。そこでまず生徒に対して発問します。すると生徒は考えるじゃないですか。それを書かせることによって、まず頭が整理できますし、論理的に考えているつもりでも実はそうではないことがわかります。次に『自分の考えを書く→それを発表させる』という訓練をさせて、最後は『瞬時に考え、発表させる』ステップに移ります。これらをまるでちょっとした頭の体操ぐらいの感じで、「じゃあ今日は順接でいこうか」というノリでやっています。

―― 次々と発問して発表させるプロセスにより、生徒は集中力をもって思考し続けることができますね。あと、これは森先生のお人柄にもよるのでしょうが、生徒たちが非常に楽しそうに取り組んでいたのが印象的でした。
 休憩時間はおしゃべりをしていても、授業開始が近づくにつれ次第にみんな話をやめて静かに席に着き始め、先生が教室に入ってくると同時に、号令がかかりすぐに授業を始められる体勢が整う、という『生徒の姿勢』も含めて、積極的に授業に参加している様子が伺えました。

 ありがとうございます。ただ、私の人柄というわけではなく、あのクラスの長所なんです。今日は水王舎の皆さんがいらっしゃるからとかじゃなくて、いつもあんな感じです。どの先生に対しても一緒ですね。

――授業以外でも生徒さんの挨拶であったり、授業が終わったあとの生徒同士のディスカッションであったり、様々なところに御校で築かれてきたものが自然とにじみ出ていると感じました。ディスカッションでは、AとかAダッシュという声も聞こえてきて『論理エンジン』の手法が浸透しているなと勝手に喜んでいたのですが、それだけでなく「イコールX(エックス)でしょう」みたいに数学に例える言葉も聞こえてきました。それはたぶん、他の人に伝えるための符号として使っていたのでしょうが、大変面白く感じました。

 自分が教えたことがわかってもらえることが嬉しいのでしょうね。その結果、教え合うことが、互いに高め合うために最も有効な方法だということを、彼らはおそらく体感してくれていると思います。放課後も自然に教え合いしていますね。

――グループワークには、「こちらが意図する以上に生徒が自然に深く読解していく。一方的な授業では実現できない、いくつもの学習効果がある」と伺ったことがあります。先ほどのディスカッションでも、互いに意見を出し合うことで文章を深く読み込み、生徒同士が正に高め合っていた印象を受けました。森先生のお話にもありました「最終的には自分の考えを自らの言葉で発言することができること」の萌芽のように思えました。

 ありがとうございます。もちろん、ディスカッションにしても自然に出来るようになったわけではありません。あの子たちの良さは、何でも一生懸命になれるところ。我々教師から言われたことに対して「えっ?」と思ったとしても、素直に頭を切り替えて、自分の中にすっと受け入れていくところ。これからの長い人生において絶対大事だと思います。それを失ってほしくないですね。

 

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