論理の匠 vol.2
~大阪高等学校・北村恭崇先生~
生徒の注意を引きつけ続ける、視聴率先生の劇場型授業とは? (3)
より良い授業への努力

――先ほど、北村先生の速射砲のような授業を見学させていただきました。最初に短めの文章を配り、タイムリミットの中で集中して読ませ、すぐに段落ごとの要約に入っていかれました。どんな試験でも、子どもたちは初めて見る文章ですから、集中力を持って読まない限り、設問に時間内に答えられません。まさに実践的な受験対策だと感じました。
そして、終わるとすぐに語彙に行き、読めて意味がわかるかを、きちんとタイムリミットの中でチェックされる。語彙が終わるとただちに『論理エンジン』の講義に移る。非常に流れがいい授業でした。
子どもたちの集中力はなかなか持続しないものです。例えば50分間、単調に一つの作品を鑑賞したとすれば、はっきり申し上げて、8割は寝ている。ところが今日の北村先生の授業は、子どもたちに手を動かせる、声を出して読ませるというように、素材に対して能動的に対処させる。それを通じて、子どもたちのテンションが切れないようにし、最後に時間が余れば、予習をさせる。大変に実践的で有効な講義だと思いました。
この授業の形になるまでどう試行錯誤されてきたか、失敗談も含めてお聞かせいただけますでしょうか。
北村 私の持っている4クラスは文理特進クラスですので、そのコースのゴールを見越した上で、いかに授業を構成していくかを考えています。
これまでは、まず彼らに予習をさせた上で、一旦回収し、ていねいに予習しているかどうかをチェックする。それを提出ポイントという形で評価点にする。次の授業で解答冊子を配り、生徒自身に予習したものを確認させて、それに私が解説を加え、レベルクリア問題をするという流れでやっていました。
授業のはじめに読解と語句のプリントを配る形にしたのは、この学期になってからです。2学期までは、毎回解答・解説冊子を配って回収する形をとっていましたが、3学期から少しずつ生徒たちにゆだね、解答・解説冊子を与えて、予習の段階で丸付けもさせてくるスタイルに変えました。その分を時間短縮できたので、現代文とのからみで、文章を数多く読ませよう、そして語句を覚えさせようと考えました。その思いを具現化して現在のスタイルに切り替えたのです。
指導していく上で感じていたのは、『論理エンジン』で論理的思考が身についた結果、小説問題なら文章が平易なので、大きく点数が上がりますが、評論文は、文章そのものの難易度が高いので、なかなか効果が実感しにくいところがあるということでした。

そこで、できるだけ難しい語句や評論用語を、その時間に覚えさせて、チェックしてしまおうと思いました。その場で暗記させ、その場で当てて、答えられなかったら立っていてもらう。このようにその場で負荷をかける形にしてみました。現国の3時間に加え、『論理エンジン』の1時間、4時間全ての授業で最初にそれをやると宣言して、3学期は動き始めました。これが今日のような形になった経緯です。
これまでのやり方をずっと続けていくことにより、彼らの中でマンネリ化してくるのは避けたいとも思っていました。今回、このような形に変えるにあたって、文章プリントの説明においても、『論理エンジン』で学んだ論理と絡めて説明してみるとか、現国でも『論理エンジン』でも同じ用語、あるいは同じ本文マークを利用して教えることを意識しています。

