設問分析・選択肢分析

加藤 今まで国公立の合格実績をあまり伸ばせていなかった本校が、論理エンジンをやるようになって、旧帝大にも二桁入れるようになってきたのは、やはり記述の力が伸びたからだと考えています。そして、この記述力を支えているのは、思考ルートがしっかりしていることなのです。
簡単な話、選択肢問題は試験問題に答えが印刷されています。それ以外に4つ選択肢があるから迷うだけの話です。答えが見えているので、設問意図を子どもたちがつかみ取れなくても、選択肢によって、「あ、こういうことを聞かれていたんだ」という風に振り戻すことができます。
けれども、記述の場合はそれがありません。記述においては、本文の読解に加えて、「設問意図が読めていないと、記述ができなくなってしまう」ということが、もう一つの大事なポイントなのです。ですから、今の3年生にも今日のようなプリントに取り組ませています。
このプリントにはグループで取り組ませます。例えばこの設問分析。現代文の問題は大まかに分けると「どういうことか」と聞かれるか、あるいは「なぜか」と聞かれるかの二つなので、どちらのパターンで聞かれているか、まずそれを考えるというわけです。
今日のこの問題でいうと、たとえば問2ですよね。これは次回やる予定なんですけれども、
この問題で言うと、「筆者の意図を説明させる」と、わざわざ「設問分析」に書かせるのです。これが設問の意図なのです。
そして、筆者の「意図」とは要するに「主張」なので、イコール主張と書かせる。
「説明」とは、これは「言い換え」ということですよね。
すると、傍線Aの「もともと地球の表面に境界はない」という筆者の主張を言い換えれば良いのだと分かる。
普通の高3生であれば、パッと読んで理解できなくはない文ですが、それをあえてわざわざ、言葉を換えて自分なりに分析させることによって、意識を変える訓練をしているのです。そうでないと、だんだん流して読むようになりますから。
先ほどもお話したように、センターの問題だと選択肢があるので、「設問意図」を読みそこなっても、選択肢を見れば修正されるんです。でも、記述の場合は、「設問意図」で考え違いをすると、自分としてはよく出来たつもりでも、実際には全く点にならない間違った答案を書いてくる。採点基準を外した答案を作ってします。すべての根本にあるのは「粗い読み」です。これは本文に対しても、設問に対しても言える。そういった不適切な読解態度を身につけさせないためにも、これはセンターの問題でも記述の問題でも必ずやらせます。
次は「選択肢分析」。選択肢分析を一つ一つやらせます。この時、「消去法により、これはダメ」というような安易なやり方はさせないで、論理エンジンの内容を入れていきます。
選択肢は一文でできています。なので、選択肢から「文の要点」をとらせます。つまり、それぞれの選択肢を主語・述語の関係で簡潔にまとめさせる。一方で飾りの部分も別途まとめさせる。
選択肢には、文の要点によって違いを出しているタイプと、飾りによって違いを出しているタイプがあるわけですが、このように「選択肢分析」をさせ、パターン学習で数多く訓練させることにより見分ける力を養うのです。生徒にしてみればとても面倒くさい手続きですが、ここは絶対に譲りません。授業後にはプリントを提出させ、私がさらに添削したうえでフィードバックします。
―― 加藤流オリジナルメソッドですね。そのスタイルの確立は、先生が今まで研究されて、生徒のことを見続けてきた蓄積の結果だと思うのですが、特に先生の授業はシステマティックに構成されて分かりやすい印象を受けました。
加藤 多分、どの教員も同じような思いでやっているとは思うのですが、システマティックに把握するよう教員自身が意識しているかどうかで違いが出るかもしれません。
これは教員の論理力にも関係すると思うのです。どの現代文の教員も、問題演習をやれば当然、本文を読んで、設問の意味を理解し、選択肢を分析するスタイルを必ずとるのです。それが、自分の中でシステマティックに把握されている、つまり自分の中で論理的に構成されているのか、カオスの状態に置かれているのかの違いだと思います。


