論理の匠 vol.9
~能開センター(小中学生)・能開センター高校部 野口浩志先生~
一貫した「論理」による中学・大学受験指導
中学受験も大学受験も国語で必要な力は同じ
~大学入試センター試験の小説問題~
野口 センター試験の第2問目は小説問題です。小説だからといって好きなように読んでしまってはいけません。入試問題である以上、答えには必ず客観的根拠があります。その根拠がどこにあるのかは、文中に潜む「論理」を把握することで明らかになります。


1.「論理」の把握
野口 戦後の食糧難の時代、ある兄弟が、妹の肺炎を直すペニシリンを手に入れるため、酒場へ使いに出された場面です。酒場で包みを渡したにも関わらず、待ちぼうけをくっています。
設問では傍線部における弟の心情が問われています。では、弟の心情を見てみましょう。
すると、5行目に「包みにかかわりがあると思われて弟は不安だった」、10行目に「奥で、なにかのっぴきならないことがおこったのかもしれない、と弟は想像した。」とあります。使いを果たしたはずなのに、何も状況が変わらないことに不安になっていることが分かります。にもかかわらず、目の前に出された桃を見たとたん、弟の目にうかぶのは「輝くばかりの桃」ばかりになってしまいます。

野口 ところが、兄は毅然とした態度を崩していません。自分は桃を食べたくて仕方がないのに、兄はそんなことに目もくれず、ひたすら自分に与えられた役目を果たそうとしている……。兄の大人っぽさに比べて、弟は自分のことを幼稚に思い、怒りを覚えているのが傍線部(自分ひとりが乳のみ児のように道理をわきまえない子供だと思われ、それが肚だたしくもあった)の意味することなのです。

2.「論理」の整理
野口 ここまででつかんだ弟の心情を図式化してみます。

3.選択肢の検討
野口 ここまで分析したうえで、選択肢の検討に入ります。これまで把握した弟の心情について述べている選択肢が正解となります。

野口 このように、入試においては小説問題といえども論理的な分析能力が要求されます。自分勝手な読み方をして、感覚に頼るべきものではないのです。

