論理の匠 vol.8
~大阪学園 大阪高等学校 北村恭崇先生~
「論理エンジン」指導の進化
第2部 「論理エンジン」と現代文授業の更なる融合(5)
着実に根付いてきた“論理”

―― 伊東先生も、今日の北村先生の授業を見学していらっしゃいましたが、何か、ご自身の授業で取り入れてみたいと思われたことはございますか?
伊東 面白いと思ったのは、「論理エンジン」の解説の際に、正解じゃなく間違った例のほうを板書しておられたところですね。
やっぱり「こんな間違いもあるから気をつけましょう」と口で言って終わることが多いですからね。間違ったときに、何でだめなのかというのを、あれだけはっきり書くのは大事だなと思いました。

―― 現場の先生ならではの着眼点ですね。伊東先生は、現在、何年生をご担当されていらっしゃいますか?
伊東 今は3年生です。
北村 1年のときの論理エンジンの導入授業から一緒にやって、そこから2年、3年と持ち上がりで教えてもらっています。
―― 3年生を教えられるときというのは、折を見て「論理エンジン」を復習したりするのでしょうか。
伊東 「論理エンジン」そのものを復習したりというのはありませんが、「筆者の主張は形を変えて繰り返し出てくる」などは、もう何度も授業の中で話をしています。
―― 伊東先生から見て、3年生という受験に直面している生徒に、「論理エンジン」の考え方というものは根付いているようですか?
伊東 「そうですね。今日も北村先生がおっしゃっていた指示語、接続語の部分を、ものすごくしつこくやりました(笑)「指示語があったら前から探す」など…分かってる生徒は、「論理エンジン」をきちんとやったからかなとは思います。
―― ありがとうございます。岩本先生の目から見て、生徒の変化というものは感じられますか?

岩本 今年度の新入生については、先ほどご覧いただいたスタディサポートを見る限り、「まずは兆しが見え始めたのかな」と感じています。
本校に入ってくる子どもたちを見ると、やはり基礎学力が年々落ちてきている状況を実感しています。これは前回の取材でもお話しさせていただきましたが、大阪高校に来る子どもたちをどう3年間で育てるかと考えたとき、「基礎学力を高めないといけない」という結論がありました。教科書の読み取りすら困難な生徒がいるという現実を日々目の当りにしている先生方からの要望が、「日本語力の欠如を何とかしなければいけない」ということだったのです。そういったことを考えているときに「論理エンジン」と出会い、導入に至りました。
私が日々考えているのは、大阪高校が今、大阪のこの地で、どういう位置で存在すべきなのか。また保護者や子どもたちからどう見られているのか。私たちが目指す教育とこの「論理エンジン」をどうリンクさせていくのか……。
大阪高校には「世界へ、未来へひらく自己の確立」という理念があります。自分の世界を広げていくためには、やはり言葉が必要です。また、言葉というものは、その所属する文化を表すところでもあります。高校生を教育されている先生方なら皆さん感じておられるでしょうが、人材を社会へ送り出していかねばならない教育機関として、言葉づかいの問題は非常に重要な課題です。そこが変わってきたところに、「論理エンジン」の我が校における存在価値を感じていますね。
