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探訪・論理の匠

論理の匠 vol.8

~大阪学園 大阪高等学校 北村恭崇先生~

「論理エンジン」指導の進化

第2部 「論理エンジン」と現代文授業の更なる融合(3)

定期考査について

―― 「論理エンジン」をメイン教材としながら教科書も扱っていますが、生徒にはどのような定期考査を課しているのですか。

北村 教科書では、評論、小説とも2つずつ単元が用意されているので、「論理エンジン」で学んだことをひとつの教科書単元とリンクさせ、定期考査では、生徒が触れていないもうひとつの単元の文章を持ってきて、学んだことの理解度を測るようにしています。

 例えば、2学期の中間考査までに授業で扱う教科書単元は二項対立の評論「自然と人工」です。この単元に入る前に、「論理エンジン」OS2レベル15(話題と主張)、レベル16(イコールの関係Ⅰ)、レベル17(具体と抽象)をやることで、教科書を教える時には「この文章の話題は何?」「そこで主張していることは何?」と生徒に発問することができます。
 そして、ここで学んだことが理解できているかを、もうひとつの単元である「進化と適応」から引っ張ってきた文章を使用した中間考査で測ります。

 

論理エンジンサンプル 

―― 評論と小説でそれぞれ2つずつある教科書単元のうち、1単元を「論理エンジン」にリンクさせて教え、もう1つの単元は授業では触れず定期考査のために使う……この形に変えられてから生徒さんの反応はいかがですか。

北村 最初、生徒は非常にとまどってましたね。

―― やっぱりそうですか。

北村 生徒にとっては、中学校からの流れで、授業でやった単元がテストに出るというのが当然だと思っていたところ、「出ないよ」と言われるわけですから(笑)。

 生徒には、「センター試験で、授業でやった教材が出ますか? 有り得ないでしょう。授業のノートを覚えてそのままテストで書き写すことをやっていてはダメ、それは現代文の力じゃなく暗記力なんだ。現代文で必要な力は、初めて見た文章でも正確に読み取ることができる力。だからその力がついたか試すためにこういう定期テストにしているんだ」と説明しています。いまだに「授業でやったところから出してください」と言う生徒もいますが(笑)。

―― 中学校まではそうやってきたわけですしね。

北村 でもそれでは、定期テストで点が取れても、模試、そして大学受験本番で点は取れません。

 それでも、3回目をすぎると生徒も慣れてきて、「論理エンジン」と教科書は別物という意識は、ほぼなくなってきています。
 模試も大学受験本番でも、問われることは一緒です。「その根底にあるのが論理力だよ」という意識付けを入学前から行ってきましたが、少しずつ浸透してきていると思います。

―― 「論理エンジン」を導入してくださっている学校の先生から、「実践問題や定期考査はどう作ったらいいのか」というご質問を受けることがございますが、それに対する一つの答えになっていますね。

 この先生向け資料の中で、定期考査について「答えが合うことを目標にするのではなく、その答えに至った道筋を意識させることを目標としたテスト作成を目指す」と書かれていらっしゃいますね。出口も常々言っていますが、まさに「答えそのものより答えに至る筋道が大事」いうところにつながっていますね。

北村 一つの考査の中で1~2問は、答えだけでなく、その答えを出した理由を書かせるようにしています。

 

論理エンジンサンプル

 

 例えば、今年度1学期の中間テストでは、このような指示語の問題で答えの理由を聞いてみたのです。指示語である以上、セオリー通り直前の文から探す訳ですが、その問題文では、指示語が指している直前の一文の中にもまた指示語があるのです。そこでさらにその前の文までさかのぼり、適切な言葉をピックアップして指示語に代入する。こうした一連の流れを経て答えがこうなりました、などの説明ができたら正解とする問題を出すようにしています。

―― 1年生の1学期でこの理由を説明できると素晴らしいですね。

北村 ただ、テストでいきなり出してもできないので、その前段階として、教科書単元の授業で、テストと似たような指示語の内容と、その答えを選んだ理由を書かせる事前プリントをやります。やはり、教師側が求めているものをある程度は提示してあげないと難しいと思うので。

 

論理エンジンサンプル

論理エンジンサンプル

 

―― 一方、この年間スケジュールによると、「論理エンジン」をやって教科書を入れ、さらに必ず問題集をさせていらっしゃいますよね。定期考査もそうですが、学んだことを実践問題で血肉化させるための取り組みでしょうか。

北村 そうです。大学入試の、ある一部分だけを抜粋して記述をやらせる形でも実施しています。

―― 「論理エンジン」への意識づけと、国語は初見の文章で解かせるということがここでも徹底されていますね。

 

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