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探訪・論理の匠

論理の匠 vol.8

~大阪学園 大阪高等学校 北村恭崇先生~

「論理エンジン」指導の進化

第2部 「論理エンジン」と現代文授業の更なる融合(2)

あえてレベル順に進めない理由

北村 これは、新年度に入る前に国語科の先生方にお配りしている「論理エンジンによる現代文授業」という資料の一部です。「論理エンジン」の取り組みについて、個々の教師まかせにするのではなく、国語科全体で取り組んでいくために、毎年このような資料を作成して共通認識を図っています。

 

論理エンジンサンプル

―― このスケジュール表によると、「論理エンジン」をレベル順ではなく、組み替えていらっしゃいますね。1年生の1学期で扱う最初の単元『子供の問い』の前にレベル11(指示語と指示内容)と12(接続語とそのはたらき)を持ってきています。このやり方にはどのような意図が込められているのでしょうか。

北村 以前はレベル順に進めていたのですが、高校1年生からすると、教科書の文章を読む際に、「論理エンジン」OS1で学ぶ主語・述語をどう活かせば良いのか、その関係性がなかなか見えないだろうな、と感じていました。

 近年、読書離れと言われていますが、学校での「読書タイム」などの取り組みのおかげで、中学生のうちにある程度の分量の本を読んできてはいます。しかし、高校に入って教科書を見ると、文章の内容がかなり難しくなってくる。そしてあと2年後にはセンター試験の問題を解かなければならない。

―― 「教科書レベル」といっても、決して簡単なものではないですからね。

北村 はい。一方、「論理エンジン」では一文の主語・述語から学習がスタートしますよね。しかし、『子どもの問い』に入る前にレベル1、2、3をやったとしても、文章の読み解きに活かすのはなかなか難しい。そのため、まずはレベル11、12をおさえ、指示語・接続語に着目させるようにしました。つまり、「論理エンジン」で学んだことはそのまま教科書読解に活かせるということを、生徒に体験させる流れを作ったのです。
効果を手っ取り早く体感できるので、生徒は「論理エンジン」をなぜ学習しなくてはならないのか納得しやすいようですね。

 ところが、生徒は頭で納得しても、いざ問題を解かせると答えを間違えます。そこで生徒に、なぜ、そこでつまずいたのかについて問題を提起し、もっと本質的なところ、主語・述語が正確にとらえられないから指示内容を間違える、ということに気づかせるのです。それからレベル1、2、3に戻って基本を再確認させるようにします。

―― まずは教科書の読解に直接的に役立つ「論理エンジン」の箇所を見せてその有用性を認識させ、次に、生徒が問題を間違えた際、主語・述語の理解が不足していることを改めて意識させることで、OS1冒頭の重要性に気づかせていらっしゃるわけですね。

 御校のカリキュラムに戻りますが、1学期の中間考査が終わってから期末考査までは、かなり記述に特化していますね。7月の進研模試(記述)の前に、レベル9(文の作成)、19(作文の基本)、29(文章の作成)、25(記述問題を解く)に取り組まれている理由は、教材とのリンクというより、模試対策と、御校が夏休みの課題としている読書感想文・自分史作りを見据えた対策の為でしょうか。

北村 そうですね。読書感想文・自分史作りについては、学校として夏休みをどのように生徒に使わせるのか考えた結果の取り組みです。また、7月には文理特進クラスで進研の記述模試を受験します。これらに挑戦させる直前に、「論理エンジン」のうち記述に活かせるレベルを集中して取り組みませることで、学習がどのように役に立つのかを生徒に実感してもらうことが狙いです。

 

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