HOME >> 探訪・論理の匠 >> 論理の匠 vol.1



探訪・論理の匠

論理の匠 vol.1

~関西大倉中学校・木村季弘(としひろ)先生~

中3でレベル86!緻密に計算された熱血先生の凄腕テクニック (6)

国語教育へかける夢

――最後になりましたが、木村先生が国語を教える上での信念、あるいは理想像がございましたら教えてください。

木村 「話すことができる」人材を作ることが目標です。自分の考えていることを、相手にきちんと伝えられるようになることが最終目標だと思っています。 そのためにはまず読みです。文章で書かれたものがきちんと理解できること。
次に、書くという作業も、自分なりに振り返りながら、「これでいける」というものが習得できていない状態で、相手を納得させるのは無理だと思います。 つまり、彼らが社会に出た時に……例えば営業に回るとか、人と話す時に、きちんと相手にわかりやすく、納得させることができるようになることが夢です。国語の点数とは違うところだと思いますが、最終目標はそこだろうと思います。
そのためには語彙力も持っておかなければいけない。例えば、契約書を交わす時に、「月賦払いで」となって、まさか月賦をひらがなで書くような営業マンはいないという話を先日もしていました。
語彙をしっかり使えるということは、その言葉の裏にある部分がわかっていないと使えないということです。だから、順番でいくと、最初は漢字を覚えなさい、となります。今も語彙テストをずっとしています。『論理エンジン』を使って文章を読む練習をし、今は書くところに突入してきたところです。そして最後はスピーチです。
いろいろな考え方があると思いますが、私の国語教育の最終目標はセンターで満点といったことではなく、社会に出た時にきちんと相手に理解してもらえる話ができるようになるかどうかだと思っています。

――テストは通過点ですから、最後、その人が生きていく上で、人が何を言っているのかを正確に理解し、それに対して自分の考えを正確に伝える。コミュニケーションというのでしょうか。社会で生きている限りこれは外せない部分……おそらくプライオリティのナンバー1ですよね、非常に共感します。

木村 会話は、瞬時に行われるコミュニケーションですからね。今のインタビューもそうですが、ここで成立しないとなると、ややこしいことになります。取材に来たけれど、結局、何を言っていたのかわからないでは、文章にもなりません。彼らはそういうところに飛び出していくわけです。機械相手の仕事をしていても、絶対に誰かと話はしなければいけないということは、常に言っています。

――「国語や数学を勉強して、社会に出た時に何の意味があるのか」と、よく言われます。でも、それは社会に出た時にひしひしとわかることなんですよね。私たちが大人になってはじめて「あの時、先生がこう言っていたのは、本当だったな」と思ってくれれば、ある意味で先生の勝利ですね。

木村 それがいつであろうと。そんな生徒が一人でも増えたらいいなと思っています。

このページのTOPへ