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探訪・論理の匠

論理の匠 vol.1

~関西大倉中学校・木村季弘(としひろ)先生~

中3でレベル86!緻密に計算された熱血先生の凄腕テクニック (2)

国語力低下にどう立ち向かうか

――先ほど、授業を見せていただいて、予備校を経営していた視点から見て、まさにお金の取れる授業だと思いました(笑)。実戦的でしたし、理解を促すプロセスが非常に素晴らしいと感じました。特に、言葉が内包する両義的な部分についてのご説明は、難しい箇所であるにもかかわらず、子どもたちにすればとてもわかりやすかったのではないでしょうか。
中3でここまで客観的な読み方を学習できる環境はうらやましい限りです。同時に、この子どもたちが高校部に入ったらどうなるのかなと、末恐ろしい気すらしました。
一方、すべての学校に言えることですが、子どもたちの国語の点数が年々低くなってきており、日本語力が低い子どもたちが入学してこざるを得ない現状がございます。そのあたりについてどのようにお考えですか?

木村 入学試験を採点している時から、「文章が書けていない」と感じますね。本校では、記述問題を50字から80字ぐらいで数問出すのですが、文がまともにつながっていない答案が多い。たぶん出口先生がおっしゃる“論理的”にはほど遠いです。問題文から言葉を見つけ出して、ただつなげている感じで、力は年々低くなってきています。
一方、今授業でやっている問題は非常にレベルが高く、ほとんどが高校か大学入試レベルです。『論理エンジン』で短い文章からずっと積み重ねてきた過程を経て、生徒も少しずつ長い文章が読めるようになってきました。
記述も最初は抜き出しから始めて、それをつなぎ合わせるところへと進んできました。今日のレベルではそれではおさまりませんから、もう少しアレンジしないといけません。そういう力をつけようと思ってやってきています。

普通、授業では教科書を使いますよね。教科書というのは一つのまとまった文章を4~5時間なりかけてやっていくものです。それはそれで意味がありますが。
本校は国語が週6コマあり、これまでは教科書をずっとやっていました。しかし、これは生徒からするとしんどいわけです。読む力の落ちている生徒に最初からまとまった文章を読ませて、文章全体の中で語句の説明をしていたんです。
今は半分の3時間を『論理エンジン』にあてています。本当に短い文法的な文章問題からはじまり、やがて問題文がだんだん長くなって、最後には難しい長文も読みこなせるようになる。このように体系的に積み重ねていくシステムは、教材としては非常にありがたいです。いきなり難しい文章をやらせても、たぶん読めないでしょうから。

――アンケートでも、中学1年生でレベル30、2年生でレベル50、3年生でレベル80が目安と書いていただいています。
今の子どもたちは長い文章を読みきれないし、そもそも読めません。そこで『論理エンジン』方式で、小学生でも読める短い一文からスタートさせ、その過程で子どもたちは文の構造をなんとなく理解してくる。
『論理エンジン』で扱うテーマはスパイラル(らせん階段)方式で繰り返されるのですが、問題文の長さは数行、1ページと増え、最後にはページをまたがる長文となる。このような過程を経て、中学3年間で、文章を読む力がつく生徒が多少なりとも増えてきたという感じでしょうか。

木村 そうですね。上はだいぶ伸びています。またボトムアップもできていると思います。同じ模試をやって過年度比較をしていますが、入学時レベルが下がっていると言ったものの、平均偏差値は変わっていないんです。また、偏差値の上位層、60以上が少しずつ増えてきています。

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