論理の匠 vol.8
~大阪学園 大阪高等学校 北村恭崇先生~
「論理エンジン」指導の進化
第1部 授業風景 ~高1 論理エンジンOS1レベル6・7~(4)
必要な技術を細分化して披露

北村 では、先ほど学んだレベル7でやることが記述問題に生かされるのかどうか、1つ実際に文章を書いてみたいと思います。
森は単一品種のほうが整っており美しい。
だがそれは、とてつもなく弱い構造である。
君たちがある問題集を解いているとき、こういった文章が出てきたとします。そして、この文章を「20字以内でまとめなさい」という問題が出されました。
さあ、こういう問題が出てきたとしたら、君たちはどこに着目をしますか? D君、どうかな。
D君 「だが」。
北村 「だが」が出てきたら何だった?
D君 逆接だから、その後の文に注目する。
北村 そう、正解。今D君が言ってくれたように、逆接の接続詞がある文章では、「だが」以下で述べられている部分の方が重要でしたね。「それはとてつもなく弱い構造である」と。
文字を数えると17字です。「20字で答えなさい」の条件に合いますね。
じゃあ質問。「それは、とてつもなく弱い構造である」という答えを書いたら○になると思いますか、Eさん。
Eさん ×になると思います。
北村 何で×になる?
Eさん 主語が指示語の「それ」だから。
北村 その通り。「それ」という指示語が答えに入っているからですよね。
では、この指示内容をまとめなきゃいけない。指示内容というのはどこから探す? F君。
F君 指示語の前。
北村 「直前」からまず探す。今回は2つの文しかないから、「森は、単一品種のほうが整っており美しい」、ここしかないわけです。
「論理エンジン」レベル7では文章を「名詞化」する作業が出てきます。それを応用して前の文を名詞の形にして「それ」の代わりに入れるわけです。さあ、「弱い構造」なのは何でしょうか。Gさん。
Gさん 単一品種。
北村 「単一品種は弱い構造だ」?
Gさん 違った! 森!
北村 森? じゃあ、「森は弱い構造」ということは、どの森も弱いの?
もう一度考えましょう。主語は何なのか。
「森は弱い構造である」「単一品種は弱い構造だ」。これらは×になります。
H君 「単一品種の森」。
北村 そう、正解。こういうふうに指示語が指している部分が文章の場合、その文章を名詞の形にする必要があります。この名詞化という作業を正確にできるようになるために、これから「論理エンジン」レベル7を学習していきます。

このように独自の例題を挙げ、記述問題の答案作成に必要とされる技術を細分化して見せることで、今取り組んでいることが実際の解答の際どう活かされるかを生徒にきちんと意識させた後、北村先生は論理エンジンOS1レベル7の演習に入っていきました。
次のインタビューでは、北村先生に、毎年進化させてきた「論理エンジン」指導の詳細やその意図についてお話しを伺いました。
